からだの構造

 からだの構造

1 はじめに

こんにちは。長生伊藤治院伊藤です。

仕事上、いろいろな症状に悩む方々からその方の症状から解放される方法についてよく質問をいただきます。

みなさん、治療院や病院を活用して、何とかつらい症状から開放
されたいと一生懸命ですよね。

そうした方々にとって大切なのは、治療院や病院を選ぶ前に、その症状がなぜ現れているのかを、からだの構造的な視点から知ることがポイントなのです。

何がどうなっているからその症状がでているのか、という話が大切になってくるのですよね。

みなさんからだのことに詳しいかたばかりではありません。どこが痛いとか、しびれているとかがわかるだけで精一杯というかたも少なくありません。

そうしたかたには、「からだとは何か?どういう構造になっているのか?痛みの原因は何なのか?痛みをとるには何をしたらいいのか?」などというベーシックな部分が大切になってくるのですよ。

そこをおさえてから、はじめてどういう方針で治療をすればいいのかが見えてきますよね。

このコーナーではそうしたお悩みをお持ちの皆さまに、からだの構造的な視点からみた、からだの基本的なしくみを、骨格の話を中心にわかりやすく解説します。

このコンテンツをもとに、ご自分のからだの構造について少しでもご理解いただければ幸いです。

2 よくある失敗例

みなさん、からだに痛みが生じたときどうしますか?
実際にあった話を再現してみましょう。

Aさんは転んで肩の痛みを訴えて整形外科に行きました。

Aさん 「先生、転んで肩が痛むのですが」

整形外科の先生「ではレントゲンを撮ってみましょう」

Aさん「先生、どうでしょうか?」

先生「骨には異常がないようですね。内出血がありますので肉離れをおこしているようです。痛み止めとシップ薬を出しておきましょう。あと電気をあてて帰ってください。しばらく通院してください。心配はいりませんよ」
  
Aさんは毎日その整形外科に通い電気を当てて湿布をはって1ヶ月が経ちました。

内出血はおさまりましたが痛みはいっこうによくなりません。
肩をあげようとすると痛くてあがりません。

Aさんは当院に実際にいらした患者さまですが、けがをしてから一ヵ月後に来院されました。

Aさん「先生肩が痛くて上がらないのですが、五十肩でしょうか?」

私「どうされたのですか?」

Aさんはいままでのいきさつを話してくれましたが、私にははじめから痛みの原因が予想できていました。

Aさんはその日治療を受けて一回でほぼ完治してしまいました。

痛くて上がらなかった肩が上がり、痛みもほとんど取れてしまいました。

みなさんAさんの肩の痛みがなぜとれたかおわかりですか?
私がどういう治療をしたかわかりますか?
からだの構造がわかると答えがわかります。      


ここでの失敗とは、Aさんがからだの構造をよく知らなかったため、治療に行くところを間違えてしまったということです。
                                  

3 骨と筋肉について

みなさん骨と筋肉についての関係はご存知でしょうか?
わかっていそうでわかっていないかもしれませんね。
間単に説明してみましょう。

一言で言えば「骨と骨をつないでいるのが筋肉です」

もう少し詳しく言えば「骨と骨をつないで関節を作り、その関節を動かすのが筋肉の役目です」

関節にはほかに靭帯(じんたい)という組織もあり、靭帯も骨と骨をつないでいます。

筋肉と靭帯の違いは、筋肉は縮むことができますが、靭帯は伸び縮みしません。

筋肉は関節を動かすはたらきをしますが、靭帯は関節が変な方向に動かないように固定しています。

どうですか?みなさん、骨と筋肉の関係わかりましたか?
これ、けっこう大切ですよ。
                                       
4 筋肉のはたらき(なぜ、肩はこるの?)

「先生、どうして肩はこるんでしょうか?」

みなさん、よくわたしに質問します。

その問いに答えるために、筋肉のはたらきについても触れておきましょう。

みなさん、筋肉のはたらきをご存知でしょうか?

「筋肉は縮むことしかできないんですよ」

わたしがこうお話しするとみなさんきょとんとします。

筋肉というのは自分では縮むことしか出来ません。縮むときに力を出すのです。

「筋肉はつかえばつかうほど硬くなるんですよ」

そうです、筋肉は縮むことしかできないため、つかえばつかうほど硬くなってきます。

だからストレッチなどをして伸ばしてやる必要があるのです。

筋肉は伸ばしてやらないと縮むことができません。
すなわち、筋肉は伸ばしてやらないと、力を出せないのです!

ここでひとつ例をあげておきましょう。

みなさん、上腕二頭筋ってご存知ですか?

そうです、腕のちからこぶができるところの筋肉の名前ですよね。
では、上腕三頭筋は?

そうです、いわゆる二の腕という部分の筋肉ですよね。
ちょうどちからこぶの裏側ですね。

この上腕二頭筋、あるいは上腕三頭筋も縮むことしかできないのです。

どうなっているかと申しますと、上腕二頭筋が縮むとちからこぶができて、肘が曲がりますよね?このとき裏側すなわち上腕三頭筋はじつは伸ばされているんです。

今度は逆に肘を伸ばすときは、二の腕すなわち上腕三頭筋が縮みそのとき上腕二頭筋(ちからこぶ)は伸ばされるんです。

このようなはたらきを拮抗作用といい、このような筋肉の関係を拮抗筋といいます。

上腕二頭筋を上腕三頭筋は拮抗筋でそれぞれお互いに伸ばしあっているのです。

ですからいつもちからを出せるのです。

このような筋肉はうごきが大きいですから、あまりこることはないですね。

ところが、肩の筋肉や、背中、腰の筋肉などは、拮抗筋による動きが少ないため、縮んだきりになりやすいのです。

このあたりの筋肉は姿勢を維持するのに使われることが多い(長時間緊張しやすい)ため、肩こりしやすい、あるいは背中が張る、腰が重いなどの症状が出やすいのです。

ですから、肩こりなどを解消するためには、その部分の筋肉を伸ばしてやればいいのです。

伸ばすにはストレッチがひとつの方法ですが、このあたりの筋肉は拮抗筋のはたらきが少ないためストレッチしにくいのです。

「じゃあどうすればいいんですか?」
よく聞かれます。

「そのためにわたしたちがいるんですよ」

そうです。手っ取り早く縮んだ筋肉を伸ばすには、ひとの手で緩めてあげるのが一番です。

押す、揉む、つまむ、叩く、擦る、などあん摩マッサージ指圧の手技はこのようなときにとても威力を発揮します。肩こり揉んでもらうと気持ちよいですよね!
                              
どうですか?みなさん、筋肉のはたらき、わかりましたか?
肩がこる理由もわかりましたね。
                                        
5 関節とは、ずれるもの

みなさん、「関節とは骨と骨が筋肉や靭帯でつながっているところ」と理解してください。

では関節はからだのどこにあるでしょうか?

そうです。からだが動くところはすべて関節といってもいいくらいですよね。(中にはほとんど動かない関節もありますが。)

ところで関節はいつも動いていますが、たまに、ずれることがあるのですよ。

別の言い方をすると、「ずれてひっかかる」、あるいは「ずれたままになる」ことがあるのです。

ちょっとくらいずれても痛くないですが、敏感なひとは違和感を感じますね。

もう少しずれると痛みが生じます。

関節が完全にずれた(はずれた)状態が脱臼です。みなさん脱臼はご存知ですよね?

脱臼ではないけど、少しずれた状態(亜脱臼といいます)、というのがあるのです。

よくあるのが、肩や膝ですが、他の関節もずれることがあります。くびの骨(頚椎)などもすごく、ずれやすいですよ。

「え?先生、そんな関節がずれてて動けるんですか?」

これもよく聞かれる質問です。

すこしずれても自覚症状がない場合があります。
でも検査するとわかります。               

もう少しずれるとちょっと痛い、あるいは違和感が生じます。
このくらいですとみなさん、「そのうち治るだろう」とか「ほっときゃ治るよ」くらいに思うかもしれません。

もうすこしずれると、けっこう痛くなりますので、みなさん、病院(整形外科)などに行くかもしれないですね。

さらにずれるといわゆる脱臼でしょう。しかしこれはよっぽどのことがない限り普通はなりません。
(例えば、スポーツ、転倒、事故などかなり大きな力が加わるとおこります)

ですから、ふつうに生活していて起こるような関節の痛みはほとんど関節のずれが原因になるといってもいいと思います。

ここがポイントなのですが、

この、関節がずれると痛いということがわかっていないと、間違いや失敗を起こします。

そして、

けっこう頻繁に関節はずれる

ということを知っておくことが大切です。

さらに、関節のずれはレントゲンではわからない!
ということです。

多くのお医者様は「関節がずれているから痛い」という概念がありません。

もしずれているとわかっても、治す方法を知りません。(もちろんわかる先生もいらっしゃるでしょうが、もしそのような先生にみてもらえるなら、なにも問題はありません)

ですから、みなさん、これからは

関節はずれることがよくある

ずれると痛い

ずれた関節はもとにもどせば(ずれをなおせば)痛みはとれる


ということをあたまにいれておくといいと思いますよ。

そして、そういうときは、ずれを治せる治療師のところへ治療してもらいに行けばいいのです。
                                  
けっして、ずれを治せないところには行かないことです。
(電気をあてるだけ、シップを貼るだけ、痛み止めのお薬をくれるだけ、マッサージと題してさすってくれるだけ、のところにはけっして行ってはいけません!)

みなさん、今日はとてもいい勉強になりましたね。
                                         
6 背骨もずれる?

ところでみなさん、いままで首(頚部)が痛くなったことはありますか?

寝違え、ムチウチ症、首こり、なんとなく首が痛い、などなど。

首には頚椎という背骨が7つあります。頚椎もよくずれますよ。

特に頚椎2番はよくずれますし、2番と3番は喰違うことがよくありますね。

他の頚椎もずれることがありますが、みなさん知ってましたか?

偏頭痛、目の奥の痛み、奥歯の歯ぐきの腫れ、腕の痛みやしびれ、肩こり、なども頚椎のずれが原因になっていることがとても多いんですよ。

首の骨(頚椎)のずれは、触るとわかります。みなさん首に触ってみてください。

自分の首の骨がずれているかどうかわかりますか?

わかった方はずれを治してみてくださいね。

自覚症状がなくても頚椎がずれていることはよくありますよ。

なかなか自分ではわからないときは、専門の治療師に診てもらうことをおすすめします。

頚椎に限らず、背中(胸椎)も腰(腰椎)もずれることがありますよ。

また骨盤もゆがみやすいですね。

骨盤も背骨も、なるべくまっすぐな状態にしておきたいですね。
それが健康への近道ですよね。

背骨のずれを整えたい→

                                    
 
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からだの構造講座(基礎編) コンテンツ一覧

1 からだの構造講座(はじめに)
2 よくある失敗例
3 骨と筋肉について
4 筋肉のはたらき (なぜ、肩はこるの?)
5 関節とは、ずれるもの
6 背骨もずれる?